三角比養成ギプス授業(その2)実践報告

平成10年10月授業実施

1.はじめに
今年度(平成10年4月)、11年間お世話になった草津高校から水口東高校勤務になりました。本校は1学年9クラスで2年次より理系と文系のコースに別れ、ほとんどの生徒が進学を希望しており、前任校とはひと味違った学校です。
コンピュータは、NECのPC-98シリーズ(NECのDOS機)を教師用に1台、生徒用に24台設置しています。
前回平成6年9月に前任校で行った公開授業の展開と同じ展開で行った授業(平成10年10月実施)の報告です。また、今回も1年担当の同僚の先生方にも利用していただきました。授業の様子は私の受け持ちクラスの場合とほとんど変わらない状況のようでした。

2.使用ソフトについて
 前回の実践報告またはマニュアルを参照してください。

3.単元計画
1)1年 数学 「数学T」
2)「三角比」
3)単元の指導計画(正弦・余弦・正接の時間配分を前回とは変更)
項目時間指導(学習)内容
正弦・余弦・正接正弦・余弦・正接を定義する。
CAIで問題演習し、理解の定着をはかる。
簡単な利用を考える。
三角比の相互関係正弦・余弦・正接の相互間の関係を調べ、公式にまとめ、利用法になれさせる。
鈍角の三角比鋭角の三角比をもとに、直角や鈍角の三角比の定義をし、十分理解させる。
問題演習理解の定着をはかるための演習。
※1クラスのみ情報(3年選択)の授業と重なったためコンピュータ利用の時間が前後した。

4.授業の展開(前回と同じ)
謚w習指導案(三角比の2時間目)
時間指導内容教師と生徒の活動留意点PC利用
導入5分ソフトの起動のさせ方と操作方法生徒はディスク等を受けとりソフトを起動させる。生徒全員の起動を確認後、教師画面を一斉送信し、操作方法の説明をする。この時、三角比の定義の再確認をする。定義が一目で確認できるようにボードに大書きする。教師利用
展開40分三角比の値を求める生徒は2人1組になるので助け合いながら、また、操作は交互にするように指示する。教師は机間巡視をし、示唆・ヒントを個別に与え、また、質問に答える。個別学習となるので生徒の進度に合わせた助言をする。生徒利用
5分ソフトの終了と後始末ソフトの終了のさせ方と電源の切り方を指導する。配布物の回収を行う。

邇タ際の授業風景
進学に向けて努力している生徒たちにも受け入れられるか少し心配でしたが、授業風景を見る限りでは受け入れられたようです。前回と同様の授業風景でしたが、熱気が少ないかな、さめた目で眺めているのかなというような面が少しあるのではないかと私自身は感じました。

5.生徒の反応

6.授業を終えて
 生徒の感想を見ている限りでは、まだまだ、使えるんじゃないかなと思います。しかし、相変わらず、コンピュータの進化が早く、CAI教室の更新でNECのDOSが利用できない(N88-BASICが動かない)機種になることが多く、残念に思っています(実際、平成10年度の京都大会の発表ではN88-BASICが動作する機種を用意できないそうです)。平成8(1996)年:日本数学教育学会第78回総会/全国算数・数学教育研究長崎大会で発表した「コンピュータの効果的利用法について」の中でも書きましたが、新しい技術でなにができるかを研究することも大切ですが、今現在ある機種の活用ももっと積極的に進めていき、その実践を糧にさらなる実践に結びつけることも必要ではないかと思っています。今ある機種さえも使い切れていない現状ではどれだけ新しい技術を盛り込んだ新機種でもたいしたことをできないのではないでしょうか。
 「中学生の頃はこういうのをよくしていましたが」、「このような授業は初めてなので」という正反対の感想がありますが、中学校によって(それとも担当者か?)コンピュータを利用した授業時間に差があるのかという思いです。これで、教科として「情報」が加えられた場合どうなるか、ちょっと心配な気もします。「情報」という教科は必ずしも「コンピュータを利用しなければいけない」ということはないそうですが…。


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