甦るGT−X 平成の大改修 その四 〜我が人生最後の道楽〜
部分パーツを愛でる・・

大切な純正クーラー横のミニ吹き出し口もホジホジ

まずは貴重な純正クーラーいじりから。基本よごれまくる物ではないはずですが,長年の細かなホコリにさらされて,思いの外汚れています。夏に冷やした後は結露し,そこを通り過ぎる空気の汚れがだんだんと積み重なったのでしょう。
 運転席側の足下を冷やしてくれるサイドミニ吹き出し口も綿棒でホジホジ。先っぽが真っ黒く汚れます。メッキされている吹き出し口のスリットも,ぴかぴかになるまでケミカルを使って磨きます。

 冷気を作る,クーラーユニット本体です。純正の証「ディーゼル機器」のブランド浮き彫りがケースにあります。

 こんなもん,いじったことないですが,とりあえずバラしたら何とかなるだろう精神で,ケースを割ってみます。
 パカッと割れて,中身がこんにちわぁ。

 中にはブロアモーター&ファンが入ってます。ここから吹き出し口まで風を送るという,何とも効率の悪いレイアウトです。ま,吹き出し口の奥は,ヒーターユニットがどっかりと居座っているので,このようなレイアウトをしないとどうにもならなかったんでしょうね。

 エキスパンションバルブとエパボのフィンが見えます。結露がつきものの内部配管には,けっこうサビが来ています。気にせずに作業を進めます。

 中には,スペーサー?的なプラスチックパーツが。エパボの空気取り入れ口側です。装着されているときには,上を向いています。グローブボックスの下にあります。

 エパボの中身だけを取り出しました。配管の見える角度から見ると,たこ足とも何ともいえないグニョグニョ感。よく造ったもんだ。

 ケースの蓋側の部品。めったに開けてもらえないでしょうから,洗って磨きます。ブロアモーター&ファンもひんむきました。ヒーターと違い,金属でファンの羽ができています。さすが高級オプションのパーツ!!?

 何となく,並べて記念撮影。右の写真のガラスは,エパボのケース内に落ちていたガラス片です。やっぱり,過去にフロントガラスが割れるような大衝突事故を起こしたのは間違いなさそう。((((;゜Д゜)))))))

 気を取り直して,水洗いできるところは,水流をぶちかませて長年の垢を落としていきます。くたびれかけていたエパボ周りも,補修作業。重要パーツ周りはブチルテープみたいなやつで保護します。
 リレーかな?MITSUBAの文字が見えるパーツです。

 ある程度汚れが落ちて,きれいになったの図。室内に置いてもぜんぜん平気です。うだいて一緒に眠りたいぐらいきれいになりました。

 ダッシュもばらばらになりましたので,そこに収まる純正ラジオも愛でます。日立製のAMラジオ,まだよく鳴ります。ローテクな機器なので耐久性はよさそうです。ボタンを押せば地元の局にドンピシャ合います。目盛り窓やボタン,ボディを拭いて長年の活躍をねぎらいます。

 後ろには予備のヒューズまでついています。しかもビニル入り。この細やかさがいかにも日本らしい。パネル版は木目の純正のままですが,接着がはがれてちょいと浮いてきてます。両面テープをしのばせて,ピッタリと。

 ラジオの下にはヒーターコントロールがあります。右の写真のココの部分が割れていて,ロッドが外れてしまいます。で,予備で持っていたパーツと入れ替えます。

 2本のレバーから複数のロッドとワイヤがからくりのように伸びて,構造を調べてみるとおもしろい。ツマミ類もきれいに拭き上げアーマオール塗り塗り。ぱっと見はちょっときれいになりました。ただ,ヒーターの白文字がすり切れて黒になっています。色をつけようかとも思いましたが,手書きで簡単にというわけにはいかなさそうだったので,今回はそのまま作業見送り。この操作レバーのツマミ,まだパーツが出たので新品交換です。

 メーターもちょっとお手入れ。汚れを拭き取ります。けっこう,ハコスカのメーターは暗くて夜は霧の向こうの明かりみたいになっている車もありますが,我が車はライトのカバーを以前から引っぱがしているので,明るさは申し分なし。光が拡散しないので,趣に欠けるのが難点です。LED球への交換も考えてみましたが,今回はまだそのままです。メーターはいつでもはずせるので・・

照明の電球も新品交換。スピードメーター内のカウンターの文字。なぜかオドメーターの一の位がえらく汚れていて,白文字が夜はわからなくなるぐらい汚れていました。表と裏から綿棒でふきふき。0から9まで読み取りやすくなりました。

 GT−X用のコンソール。ぱっと見はほとんど同じですが,他のページでも紹介しているように,GTオーナメントが当然のゴールド(くすんでおうど色ですが)。ウォッシャーに間欠ワイパー機能が組み込まれています。で本来は8トラックが収まるオーディオスペース。したがって,ここの蓋はもともとありません。最近は高騰してきて,コンソールは数万円の値が付いてますよね。

 いかにも平成にはつくられない操作スイッチのかずかず。フォグランプはスイッチはあれど,ライト本体がついていないので,ダミー状態です。せっかくあるので,何か他の電装品をオンオフできるようにしたいところ。若ければグリル内に蛍ライトでも組み込んで,そのスイッチにするところです。今ならLEDバーでしょうか・・(笑)

 一番目にふれ身体に触れる内装は,内張かもしれません。はずされて数年。ホコリをかぶっていたので持ち帰りお手入れ。あー。新品がほしい。オークションは10万以上値が付くし・・・手が出ない。

 リアクォーターガラスに付くウェザー。ちゃんと柔らかさがないと,風切り音がヒドくなったり,最悪雨漏りの原因になったり・・ 新品に交換。あ。愛でてない。

 さて,内張よりさらに直接触れるシート。使われる頻度の差で,運転席だけがやたらへたっていました。そこで,下町の内装職人さん(須藤工業さん)へ補修依頼。知り合いの方に紹介していただき,オールドタイマーにも寄稿されている内装職人の第一人者のこの方に依頼しました。純正そのものの生地がないので,類似品を使うことになりました。サンプルを送ってもらい見た目と手触りで最終決定。
 運転席の外側の底面と,シートバックに破れやたばこによる焼け跡がありました。また,骨組みのスプリングが折れてしまっていたところもあるので,補修依頼。その様子はこちらをどうぞhttp://www.sccy.sakura.ne.jp/craftsman/index.php?option=com_easyblog&view=entry&id=637&Itemid=53

 出来上がりは,期待通りの仕上がり。他の椅子と生地を並べて見比べないとそんなに違和感は感じない差。で,座り心地はばっちりです。スプリングの折れの影響はけっこう大きかったことを再認識します。モケット張りの部分もしっかり感が出て,助手席と同じような盛り上がりになりました。それでも最近の車に比べると,起伏の少ないソフトな形状です。

 初回ではワイパーやエンブレムを。2回目にはミラーなどを。で,今回はついに内装も本来のGT−X仕様の白天井に戻します。それに伴い,サンバイザーもネットで手に入れたものを,磨くだけ磨き,できるだけ白っぽく仕上げて準備します。
 当然取っ手(アシストグリップ)も黒ではいけません。時々出品される白のものを準備します。万能クリーナーで,サンバイザーはけっこう白くなりましたが,グリップはなかなかてごわい。

 グリップのネジ止めカバーも何とかそろいました。
 白→黒にする人は多いでしょうが,黒→白は少ないかもしれません。私はタバコをやめたので,内装がヤニで黄ばんでくる心配は無くなりましたので,このまま乗り続ける予定です。白になると,やはり室内が明るい感じになりました。

 さて,次なる小物は,運転席側足下にあるベンチレーター。操作棒を引っ張ると,パコンと音がして,走行中はけっこう涼しい風が足下に入ってきます。ずいぶん以前に,ビクトリー50で売られていた本来プラスチック製の左右の円いベンチの開閉ツマミとこの操作棒。アルミ製で折れる心配は無く,手触りもちょっといい感じ。すべりがいいので操作感も軽くなります。
 ということで,交換のために少ない構成部品をはずしていきます。

 中のバタフライは,うっすらとサビがきています。接触部分にはスポンジが貼ってあったようですが,すでに溶けて亡くなりつつある・・

 おおざっぱにマスキングして,中のパーツを黒色塗装します。けっこう適当な仕上がりですが,錆びてるよりはいいか。で次に行ってみよう。

 密閉性を高めるスポンジ。カスのような物を落とし,隙間テープ代用でやり直します。
 中のバタフライにも接触面にはスポンジを。外側はプラスチック製なので,磨いてアーマオール仕上げ。黒光りがいいねぇ。

 さて前述のアルミ製引っ張り棒です。接続部を分解して,支えの金属パーツからはずし・・・ 先にやっておかないと,後からは外せないので・・

 これで手直し完成。二度と目にふれることのない部分ですが,こういうのが自己満足で最高にうれしいですねぇ。p(^_^)q 

 長年のホコリをかぶったヒーターユニットです。部品番号が書かれたシールも健在。


 ホースやコントロールロッドなどの動く部分からはサビがパラパラ。上を向いていますが,本来下向きとなる温風室内吹き出し口は,変に白く塗られていました。ま,見えにくいところなので,あまり気には留めませんでしたが・・ユニットをバラしていくと,からくりのおもしろさをいろいろ発見します。ココは,前回のヒーターいじりのときに気づいた最COOLにしたときにパタンと開く空気バイパスで,熱交換部分を通らずに素通しする所です。何とかまだ固着はしていませんでしたが,磨いて油塗ってスイスイ動くようにします。前回のはココがダメになっていて,コントロールレバーの動きが固くなっていたようでした。
 ここのバイパスが開かないと,COOLにしても,だらだらと暖かい空気が出てくるんですよね。お湯を遮断してもヒーターコアが冷えるのはけっこう時間がかかるでしょうからね。


 ここはホースの部分をかわして,側面蓋がカパッとはずれます。単独お手入れ可能。さ,今回もファンをきれいにします。透明のファンですが,やはり曇ってました。バシャバシャ水洗いにて,再び透き通った美しさを取り戻します。

モーターの方はバラす必要もなさそうなので,そのままきれいに磨いてファンと組み合わせます。

 温風室内吹き出し口のドアップ。密閉スポンジはヨレヨレです。ただ,ボロボロではなかったのは,1999年8の月に,ヒーターコアをはじめとする自分でOHしたときに交換したので,ちゃんとスポンジをしてくれていました。右の金具は,ワイヤの動きをロッドに伝えて,前述のCOOLバイパス蓋を開閉します。よく造ったもんだ。

 独立パーツをサビをおとして,塗装の準備です。

 微妙な緑のスプレーを見つけきれずに,一か八かで買ってみた塗料。塗ってみるとかなり明るぅい緑。適当新聞紙マスキングもどきで,気にせず周りに色をつけていきます。

吹き出し口は,白色を目立たぬように黒に塗りました。中のヒーターコアを固定したり,蓋の部分を留めたりするネジは,新たにホームセンターにて購入。


 けっこうきれいな緑になりました。室内への温風吹き出し口などのスポンジは,隙間テープにて再生。何年間保ってくれるでしょうか・・・
 ユニット本体にくっつけると,それらしい形に戻ってきました。

 組み上げて,ゴムホースなどをアーマオールにて,つや出しと保護です。左の写真のこっち向いている穴は,レバーをDEFモードにしたときに,外気ではなく室内の空気を取り入れるためにパカンと音を立てて開く取り入れ口です。この穴と,写真では下向きに空いている外気取り入れ口を切り替えるようになっています。


 ツートーンで可愛くきれいにできたかなぁ,と思ってはみましたが,ちょっと明るすぎで,いざ足下に取り付けてみるとおかしくないかとの意見もあり,本来の濃いグレーとは違ったつや消し黒色にて最終塗装。ま,年寄りになっても乗り続ける予定ですので,派手かなと思ったときには踏みとどまるが正解かも・・・

 さて,他にも磨けるパーツはお持ち帰りで磨いて戻すということをいろいろやってみましたが,写真もないので,この辺にしておきます。

 いよいよ次のページは,最後の塗装で元通りに戻っていく様子をお伝えします。


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