甦るGT−X 平成の大改修 その五 〜我が人生最後の道楽〜
ついに塗装段階へ・・

 さて,最終塗装のはじまりです。エンジンルームからきれいになりました。埋められた穴もどこにあったかわからなくなりました。 

 ミッションの収まるスペースもこの際とばかりにきれいにやってもらいます。

 カウルトップなどの独立パーツは,一足お先にブース入り。


サビがたれまくっていたダッシュ裏もこの通り,新車同然に。穴だらけだった運転席フロアも復活です。運転席足元奥もご覧の通り。風が通るスペースもきれいになります。足下のベンチレーターにつながる穴ですね。 


 トランクへ抜けるスペースのビームもきれいになりました。


 トランクのスペアタイヤスペースもぬりぬり。フロア全体に貼ったシートの上に,どんどん塗装がのっていきます。ホイルハウス内もアンダーコートの上からボディ色を吹いてもらいます。リアのタイヤハウス周りも,毎回錆びてきて手直しされてきましたが,これまでで一番手の込んだ作業を施してもらっています。


 ホイルハウスと同じように,フロア裏も同色を吹いてもらいます。別に外注に出してもらっていたメッキパーツの再メッキも仕上がってきました。ドアロックの部分やアクセルリンケージなども光を取り戻しました。

 別途オーバーホールに出していたL24用のキャブも戻ってきました。今回お世辞にもよく効くとは言えない純正ブレーキのキャリパーを4ポッドのものに交換しました。お金がないので,定番MK63ではありません。涙


 エンジンルームが塗り終わると,足回りのパーツも取り付けられていきます。なめられるロアアーム。テンションロッドも取り付け部分が怪しげになっていましたが,完全板金補修で突き抜ける心配は無くなりました。ボールジョイントなどもすべて交換です。


 準備ができたヒンジもこれを機会に交換です。一番痛む運転席の下のが揃いませんでした。左右分あるかと思いきや,二個とも助手席側用でがっかり。

 ごつごつ感や引っかかりがあったステアリング部も別の中古品に交換です。コラムポスト用を探すのに骨が折れました。室内側にもシャフトがこんにちは。少し運転席らしくなってきました。


 ハーネスもインパネハーネスをはじめとして,新しいのがそろった配線は交換です。エンジンルーム内のハーネスは前回交換したので,そのままです。

 いよいよインパネが取り付けられ,車内の雰囲気が戻ってきます。新しい配線の向こうに,手作業で愛でたベンチレーターがちょこんとはまっています。

 高橋国光さんのサインは,マスキングして残してもらいました。プライスレスですからね。フロントフェンダーと本体パネルとのすき間には,別車用のシートを挟んでもらいました。スプラッシュガード同様に,タイヤハウスからの泥水の跳ね上げをここで阻止します。


 エンジンも降ろしての作業でしたので,マウント類は当然交換します。ミッションマウントも交換です。


 独立パーツも仕上がりました。ドアもピカピカです。オークションで,ドアの新品一枚100万で出品されていましたが,それに負けない状態です。トランクも微妙なカーブを映り込みが表現しています。フロントフェンダーも下の接合部を中心に完全板金仕上げ。ピカピカです。
 サフェーサー仕上げのボンネットも取り付けられ,いよいよボディ本体の塗装を待ちます。


 ついにボンネットと天井,側面に色がかかりました。映り込んだ電灯もきれいに見えます。


 給油口リッドもきれいに仕上がっています。最後の土壇場で修正してもらったサーフィンラインも光っています。
 給油のホースもカチカチから,ヤワヤワになりました。これも再メッキしてもらっていたドアストライカーも元のさやへ収まり嬉しそうです。

 ドア周りのウェザーも初めて交換してみました。これで密着開閉が実現します。ボンネットキャッチャーやショートパーツを含めたどんぶり勘定での再メッキ物。助かりました。

さてここからは,リニューアルしたパーツ等いろいろです。


 再メッキシリーズでリンケージのクランクも綺麗な光り物に。燃料フィルターもこの際に新品に。


 クラッチのマスターもかなり傷んでいたので,新しくしました。NABCOの日本製です。
 ブレーキキャリパー交換に伴い,容量の大きなマスターに換えました。7/8タイプです。復刻品ではなくちゃんと日本製です。


 マスターバックもいわゆるケンメリ用にサイズアップ。ただ,アクセルリンケージの通り道が狭くなって,少しよろしくなかったなぁ。キャップもぴかぴかで超気持ちいーーーいです。


 今回再びラジエターもお手入れ。冷却ファンとの干渉がありましたので,取り付けステーをずらしてもらい,少し前方へオフセットしてもらいます。これでエンジンマウントが仮にへたってきたとしても,ラジエターフィンに円い足跡がつくことを防げそうです。


 ブレーキパイプもほとんど新調してもらいました。そんなときでないと交換しにくいホイルハウスに出てくるところのグロメット。これも製廃?でなかなか手に入らず,ネットで入手。穴にぴったりはまりました。


 三角窓もばらしたついでに手直し。錆がうっすら浮き始めていたフレームも塗装し直してもらいます。あ。ツヤがある。本来はつや消しなので,ここだけは失敗でした。(汗)長年そのままだった三角窓ウェザーも新品交換。ところが,これはパーツ○○○○さんの復刻品。どうも収まりが悪いうえに,開閉の感触もよろしくない。別の物にそのうち交換する予定です。まぁとにかくここの商品にはかなりの確率で裏切られました。ガラスラン,トランクウェザー,そしてこれ。見た目はきれいになったものの,スッキリとしない部分です。残念ーーー(波多陽区風)


 雨水が入りやすいカウルトップ裏のゴム蓋も新品交換です。コイルなどのエンジンルーム内のステー類もほとんど再メッキにて手直し。


 ボンネットキャッチも光ってます。再メッキのロッドなどとエンジンルームを賑わせてくれます。


 リアのクォーターガラスも入ります。ピラーバッジの取り付け部分もきれいに戻りました。


 キターキタ━━(━(-( ( ( (o・∀・o) ) ) )-)━) ━━ !! こだわりの当時物ピラーバッジ。淡い色合いが何度見ても最高です。ドアの取っ手やカギもついて一歩ずつ実用品に近づいていきます。


 アクセルペダルもつきました。バルクヘッド内側につく防音断熱材みたいなものは,予算不足でけちってしまいました。元着いていた物よりはましな中古品。んんん。今イチだったかなぁ。めったに交換する部分でもないし・・
 けっこう自分で今回手直ししたヒーターユニット。緑ではなく黒っぽい色で,あるべき場所へ収まりました。時間が経ち,少しホコリかぶっていますが,中はピカピカになっています。


 サイドブレーキやシフトレバーも元のさやへ。ブレーキは,キャリパー変更に伴い,パイピングも新しくしてもらいました。純正品のようには行かず,だいぶ社長にご苦労をいただきました。


 さて,トランクリッドも取り付けられ,準備していたトランクウェザーを取り付けます。新品なのでコシや張りがありすぎて,力を入れないと閉まらないほどなのですが,つけてみたパーツ○○○○さんの復刻品は,柔らかさが違い厚みも微妙に違うようです。で一度つけてもらいはしたものの,ヒンジに無理がかかるぞ。どうする?と確認され,現物を見てみました。無理におし縮めた状態で左の写真の通り。あれこれ対策を考えずに,純正品とコンバート。右のようにきっちりおさまりました。またかぁ・・とつぶやきながらのこの一件でした。


 マフラーもおしり半分はなんとか手に入れた純正新品と交換です。度重なる太鼓の補修でグチャグチャになっていたのが,スッキリなります。


 車体色のフロア裏。黒光りする足回りパーツの下をくぐって,銀色のマフラーが走ります。
 エンジンも据えられ,車らしくなってきました。


 前窓のガラスも入ります。ところが最初につけていた問題のガラスランチャンネル,これまたぜんぜん純正品と厚みが違って,定位置にガラスがおさまらないほど。無理矢理調整してもらいましたが,窓ガラスが後方へずれた位置に収めざるを得ません。その結果,リアクォーターガラスとぶつかりそうなほどのクリアランスになり,リアクォーターガラスの建て付けも本来の場所にできにくく・・などといろいろと悪影響がみられました。で,結局ここも純正品を取り寄せ交換です。なんなんだ,このクォリティの低さは!!辟易!!


 小物として,リレーのカバーも再メッキかけたのもあります。踏まれることでぼこぼこになるステッププレートも新品に。左右共通部品ながら,穴の位置が対称になってないんですね。今頃新発見。



 今回こだわった交換部品の一つに,ワイパーリンケージがあります。ライズアップ無しのGT−XGT系とパーツが違う専用品です。
 それをごっちゃにしてると,拭き取り角が合わずに,左右の交差場所に拭き取り残しの谷間ができてしまい,そのV字部分からタラーっと水が垂れ続けるということになってしまいます。動作角がおかしい我が車は,私が睨んだとおりに本来のGT−X用ではないパーツがついていました。どう調整しても折り合いがつかないはずです。今回,セコパーツを手に入れ,晴れて本来のGT−X用ワイパーに戻りました。ライズアップのためのおつり動作発生機構のために作りが違うのがわかると思います。ワイパーモーターにつながる部品も明らかに長さが違います。ベルクランクの構造も異なり,助手席側の動作角がGT系用よりも広い角度で動くようになっています。


 トランクのGT−X用オーナメントも取り付けられます。当時物とは若干曲がり具合が違うようで,ボディラインにフィットさせるには,テープで馴染ませるなどの外圧が必要です。
クロモドラホイルもオフセット問題ですったもんだしましたが,何とかノーマルフェンダーに収まりめでたしめでたし。

一通りの作業が終わり退院のカウントダウンです。すでに車検は通してあり,公道でシェイクダウンテストをしばらく行ってからの納車になります。バラバラからの組み立てですので,どんな不具合が出るかわかりません。また4年以上が経っているので,その時間の経過による故障も考えられます。ここまでの作業をした場合は,すぐに納車しないというこの工場のポリシーです。


久しぶりに太陽の下へ。最終章でついに納車次へ

HOME