手間暇かける・・
結局(予定通り?),ボディはほぼドンガラ状態に。この状態でやれるだけのサビ対策を施してもらい,ここから元の姿を目指して作業が続きます。写真ではチャッチャッと進んでいますが,大変だったのは間違いありません。 さて,ボディの方も,徐々に進んでいきます。ドアの定番サビエリアは,同じように板金→さび止めの処理。いつものオレンジのヤツです。
我がGT−Xを今回バラしたときに,一つ一つのパーツもさび止め&塗装をしていただいてます。ステアリング機構の部分やフロントやリアの足回りパーツなどもマメにやってもらいました。
サフェーサーを吹いてもらったあとで,真っ黒に塗装です。ブッシュ類もこの際に交換です。後で換えようとしたら,その工賃だけでかなりの額になります。この際ですから。
リアのスプリングなども,きれいにしてもらいました。スプリングの受けの皿も,あやしい亀裂が見つかり,そこも鉄板当てて補強してもらいました。
あちらこちらのブッシュ類,すべて交換。ロアアームなども,新品はなかなか手に入りません。曲がりなどなかったので,手直しでほぼ新品同様。なめてもいいぐらいにぴっかぴかです。
スタビライザーや錆びかけていたメンバーなども,一つ一つ元通りにやっていただいてます。根気の要る作業です。面倒な作業頼んですみません。デフがのっかる部分も,ビカビカに輝いてます。乗るのがもったいなく感じそうです。
リアの車軸付近も手抜かりなくピカピカ。ここに今回の入院のきっかけとなるブレーキ部に使うスプリングが付くことになります。バルクヘッドを貫通してステアリングシャフトが通ってくる部分です。漆塗りの重箱のような輝き。しばらく,ショールームに飾りたくなる輝きです。
リアのドラムブレーキには,アルフィンドラムを今回つけることにしました。きれいに塗装して装着。足回りが少しずつ組まれていきます。アブゾーバーなどは,あまり走っていなかったため,そのまま付いてた物を再利用。
他の部分も板金を要するところは同じように処理を進めます。ドアもつけてみて閉じた状態でラインのつながりを確認しながら,パテ研ぎです。真っ先に腐り始める場所の一つ。Aピラーの根元も,この通り。今回は,スプラッシュプレートもハンドメイドでやり直してもらいましたので,これまでのように泥水の好きなようにはさせません。
セールスポイントのサーフィンライン周りも少しずつ進んでいきます。ある程度のパテ盛って,ラインを出して削っていきます。もとのラインに沿ってやってもらっていましたが,ここである思いが・・・ これについては,後ほど・・・
サビの巣窟であったトランクフロアも板金がすんでシートが貼られます。地面も見えなくなり,一安心。写真ではまだそのままになっていますが,ゴム蓋(グロメット)もすべて新品交換です。
運転席と助手席も後部座席も,足下のサビがきれいになってシートが貼られ,塗装待ちの状態です。これでしばらくは安泰か・・別腹のフロントフェンダーも,下の取り付け部あたりの腐りをすべて切除して仕上げを待ちます。形そのものはそんなに問題ないので,フロアなどに比べると,作業がはかどり具合がちがいます。
燃料給油口近く=リアガラスの左右下部も,水気が残り錆びやすい定番の場所。ここもしっかり形をとってもらい,次の作業に備えます。サーフィンラインの内側のホイルハウスもトランク方面も室内方面も,すべてやり直しであるべき姿に戻してもらいます。
パテの作業が終わると,プラサフを一度かけて,下地作りをていねいに進めてもらいます。
リアクォーターあたりの窓枠にサビもきれいになくなりました。前回はピラ-バッジ付近まで,魔の手が忍び寄り,ツタが這い回っているようにサビによる塗装の浮きが見られたところです。そこも含めて作業終了。問題の給油口付近も板金終了。別途仕上げ中の給油口の蓋が待っています。
燃料タンクにつながる給油パイプ。プラスチック製かと思うほど,こちこちになっていました。劣化がひどくなる前に社外品に交換です。空気抜きの管もつながっていますが,この社外品はどうやら耐油性になってなさそうな,との話。年中ガスに浸されているわけではないので,気になりながらもそのまま交換。
パーツ置きと化していた室内も,物がすべて出され,塗装の準備が進んでいきます。リアガラスの下の部分も,目立たないところではありますが,パテが入りきれいに整えられています。今回板金が施された場所を中心に,一度サフがかかった後で,念のためにさび止めを上から塗ってもらっています。茶色のダルメシアンみたいにも見えます。ほぼ作り替えられたサーフィンライン付近は全面さび止め。
エンジンルーム内も同じようにさび止めで後の保ちがよくなるように,徹底的にやってもらいます。給油口付近もこの通り。
別パネルとなるドアやフェンダーは,一足お先に最後のサフ塗装に入ります。
さて,ここへ来てふと気になることが頭をもたげてきました。これまでに私が所有するようになって,二度の板金塗装を行いましたが,リアフェンダー付近は毎回サビにやられ,そのたび,板金作業をやってもらっていました。ところが,ふと冷静にこの写真を見ると,何か違和感。これまでの自分の撮った写真を見てみると,その思いは確信めいたものになってきました。
サーフィンライン保存推進委員として大問題。よく見てみるとすぐにおわかりいただけます。
下の写真は,以前持っていた板金の後がほとんど見られなかったというハコスカGTX1号車です。
ここに買ったときの頃のラインとここで修理をする前の頃のラインを二つ並べます。 ホイルアーチとラインの間隔を見てみると,明らかにオリジナルのラインより幅が広くなっているのがわかります。もっと言えば,車の最後尾付近から伸びるラインは,ほぼ直線を描いています。(でもこれ,途中からは徐々に降りてきて,実に微妙なクリアランスでホイルアーチをかすめている)で徐々にドアの下のラインとの交差するドア後方へ向けて下がっていくんですが,直線部分が長すぎます。真っ直ぐ行って,最後に急にカクンと下がってます。
本来のラインは,どんなに縦位置から見ても急激な曲がりにはなっておらず,伸びやかな緩やかにカーブを描くラインになっています。で,まさに仕上がろうとしている我が車のラインを見てみると,この変な状態を忠実に再現してあるという由々しき事態になっているわけです。
しかし,板金塗装もすみ,プラサフも入り・・・ この場に及んで再作業をお願いするのは忍びない・・・
駄菓子かし,これから毎回ラインを見るたびに納得いかない気持ちで乗り続けるのは考えられない。心を鬼にして,もう一回サーフィンラインの形状を整えてもらうようにお願いする。
しかししかし,口で言ってもサーフィンラインの微妙な曲がり具合は伝えきれない。苦肉の策として実物を持ってきて,現物あわせで再現してもらう。という方法。オリジナルラインを持つハコスカHTは,そうどこにもここにもはない。そこで白羽の矢が立ったのは,Rカットされたハコスカの残骸。知り合いを伝ってとあるショップからこの破片を譲っていただくことにした。で,作業の及ぶ範囲で,サーフィンラインの修正をしてもらいました。本来のラインとは微妙に異なるかもしれませんが,入院時の真っ直ぐカクンに比べると,ずいぶん本来の姿に近いラインを復元してもらいました。めでたしめでたし。
見る角度は違いますが,使用前使用後で明らかにホイルアーチのクリアランスが変わったのがわかると思います。 p(^_^)q
フロントマスクあたりも,残っていた塗装を落とし,新しい塗装へ向けて準備を進めます。リアも,取り付けられたパネルの下地作りを進めてもらいます。
エンジンルーム内の板金箇所もだいたい準備が整い,一足お先に作業が進められます。最終プラサフ仕上げ。
エンジンルームやフロントマスク付近に最後のプラサフがかかります。出来上がりの様子が少しイメージできそうな気がします。
ガラスのエリアに新聞を貼り,いよいよボディペイントの最終準備段階へと入ります。
エンジンルーム内も,パテで最終整形,ハーネス留め具はマスキング。いつでも塗装かかってこんかい。
何度となく板金されたリアタイヤハウス付近も準備が進みます。バルクヘッド室内側も,サービスホールにマスキングをかけて・・・
エンジンルームの下の部分。ここも跳ね返りなどで汚れにさらされ,よく錆びてしまいます。今回,エンジンを降ろしての塗装で,じっくりやってもらいます。
さて,フロア底面も黒いアンダーコートがかけられた状態です。でも黒いままで終わらせない予定。リアの足回りの上面もきれいにしてもらいました。多分解体まで二度とこういう風にははずされないであろう場所。
サイドシルとの境目。
ついに,下地作りまで終わり,いよいよ塗装の時を待ちます。時は流れて,2012年の10月。この時点で,すでに二年の歳月が流れていたのでした。
塗装が始まる前に,あれこれはずしたパーツを愛でる楽しみがありました。その小ネタを次のページではご紹介します。