その2 外海へ出る編   

 
佐世保の港を出ると・・・

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無線塔が見える

佐世保港も出口が近くなると,西海橋の近くにそびえ立つ無線塔が海上からも見えるようになります。ここを過ぎると,いよいよ佐世保ともお別れです。

佐世保湾の出口です

天然の良港といわれる佐世保湾の出口です。両岸が手を伸ばせば届くぐらいに迫っています。
左側が佐世保市内の俵ヶ浦半島の先端「高後崎」。右が西彼杵の一部「寄船鼻」になります。車で行けばかるく1時間以上かかるところも,海から見ると鼻をつき合わせたすぐ近くになっています。右の写真は,一番陸地が迫っているところを通過しています。反対側もすぐ近くにあり,道行く人の顔も見えそうなくらいです。

入り口の灯台

 佐世保港の出口,俵ヶ浦半島の先端には,灯台が設置されています。灯台といっても,ただ光るだけのものや点滅するものなどありますが,この灯台は中に回転する反射鏡が入っていて,前後180度双方に光を放つ正真正銘の灯台です。天候の良くない夜に帰ってくるときには,遠くからだと真っ暗闇の中にかすかに見え隠れするこの灯台の光は,ほんとうに頼もしい存在です。(フェリーなどは,レーダーも積んでいるし,GPSで自動操縦になっているらしい・・)
 古くは,この灯台の近くには,入ってこようとする敵の軍艦をねらい打ちにする砲台があったそうです。こんな狭い入り口でねらわれたら,打たれ放題で奥の佐世保港までたどり着くことは難しそうです。

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 佐世保湾を出ると,西側に開けた海に出ます。風がある日には,出たとたんに船が揺れはじめます。
時化(しけ)ているときには,膝を抱えて座っていると横に転がりそうになります。立って歩いていたら,寝ている人たちを踏みつけてしまいそうになります。しかし,デッキに出てみると,明らかに海水の色が違います。写真ではうまく伝わりませんが,ターミナルを離れたときにはスクリューが立てた泡ぶくがこんな色をしていたのが,このページのバックのようなきれいな水色に変わってきます。さらに外へ出ると,その透明度がどんどん上がってきます。佐世保の湾内は海水の流れがある程度制限されるので,浄化作用が弱いということもあるんでしょうね。

白瀬

湾を出ると,左手に西彼杵の大島を見ながら進んでいきます。大島へかかる「大島大橋有料道路」も天気がいいときにはよく見えます。手前に見える瀬はたぶん「白瀬」と呼ばれるものです。ここからは,一路西へ向かってほとんどひたすら直進です。

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 途中,海上には所々に島が見えます。島というより岩礁みたいなものもあります。何て名前か,わかりません。

佐世保市黒島

佐世保市内の島「黒島」です。佐世保にいるときには,黒島って遠いところだなどと思っていましたが,今となっては非常に近く感じます。帰ってくるときなどは,黒島が見えると,「もうすぐだぁ」などと思ってしまうのです。外海に面したところが浸食作用で断崖になっています。
 ここを過ぎ,平戸島の南端が見えてくると,船の旅はだいたい半分ということになります。すでにゆうに一時間はかかっています。航行速度は15ノット足らず・・・時速に換算するために1.852倍して約27km/時です。しかしながら,夏の天気のいい日は,真っ青な海が美しく幸せな気分になり,ついついビールを買って甲板デッキで飲んでしまうのです。

孤独な航行

 こんな感じで広い海原の中を,進み続けます。直行で2時間半,近くのもう一つの島に寄港して3時間少々の船旅です。

まもなく到着

 時化たときには「やっとついたぁ」と思いながら,到着を待ちます。船内放送が入り,入港の汽笛が2回鳴ると,港は目の前です。しかし,風向きによっては岸壁に接岸しにくく,時には10分以上もかかるときがあります。船長さん達にとっては,外海の航海よりも接岸が一番緊張する場面かもしれません。

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接岸前に,港内でクルクルと向きを変えます。

接岸ロープを加山雄三の足乗せに引っかけてなるしお無事に接岸

船のロープは必需品です。大型船ともなると,係留だけではなく,接岸の最後のつめは,ロープをたぐり寄せることで進めていきます。船は車などと違って,風の影響も受ければ潮流の影響も受けます。舵操作だけであのばかでかい船体をピタッとつけるのは至難の業です。ましてやフェリーでは,車両乗降口を定位置に合わせないと,車の積み替えができませんので大変です。
これを見て,岸壁の巨大フックは,加山雄三や石原裕次郎が足をかけるためではなく,船のためにあるんだと改めて思うのでした。

第3はまゆう

ここからは,町営連絡船に乗って我が島へ移動です。一日4便。奇数日曜は運休日。じっとしているしかありません。片道240円也。10分程度のクルージング。普段は快適なクルージングも,海側から寄せる風(南風(はえ))の時には,死ぬほど揺れます。地形の影響で港の出口は波が高くなりやすく,欠航ぎりぎりの天候の時には,へたな遊園地のアトラクション以上のスリルです。

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ここまでくると,水面が穏やかなときには,海底が見通せるほど澄んでいます。
今住んでいる島は,桟橋付近が船の出入りで一番汚れるところです。それでも首都圏はもちろんのこと,地方都市の海水浴場より間違いなく海水がきれいであることを保証します。ちょっと離れた無人島あたりまでいけば,珊瑚礁がないだけで海の青さは南国リゾート並です。

健介ファミリー,鬼嫁とともに登場

島では,黙っていたら(採算面で厳しいので)コンサートなどのイベントの機会にあまり恵まれません。その分,行政ががんばったり青年団が実行委員として自主的に動いて娯楽を増やしています。H17年には,プロレス(海援隊道場)を呼んで盛り上がりました。実行委員の心意気に呼応して,佐々木健介夫妻もやってきました。鬼嫁 北斗晶もリング上で暴れていました。でも,夫婦ともに良さそうな人でした。

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行列のできるラーメン屋や,鉄人の作る最高グルメはありませんが,天然の食材は豊富にあります。磯の解禁日に海へ行くと,うまそうなウニがいるわいるわ。カギでひょいと引っかけて,何十個もゲット。去年は二夜連続ウニ丼を食べるという最高の贅沢をさせてもらいました。

その3 出会う船

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