時代を超えた未再生GT−X
プロローグ

あなたはこんなに金色に輝くGTXコンソールオーナメントを見たことがあるか?

 私たちの周りに存在する多くの物は,私たちが日常生活をより快適に営むために,作り出された物がほとんどである。使われることで摩耗し,あるいは破損し,その役目を終える。
 時に,おかれた環境により,使われることなく歳月を刻むものもある。
 しかし,使われずして,じっとその場に置いてあっても,見えざる自然の摂理により,一年また一年と確実に年老いていく。
 ところが,この世に生まれしものが持つ運命から隔離され,手厚く保護されたものが稀に存在する。
 そこには,明らかにその所有者の大いなる意図がある。歳月とともに押し寄せてくる経年変化から守ろうと考え,それ相応の環境に置かれるというハードルをクリアーしなければならない。
 バブルの頃の高級外車などは,土地成金のコレクションとして,しばしばそういった環境の中で生きながらえることができるものもある。
 しかし,高度成長期のまっただ中とはいえ,まだ自動車は実用品として使える物を所有することだけでも大変であった昭和40年代。その時代から特別な庇護を受け,時間の経過を止められ,奇跡的なコンディションで21世紀を迎えた車が福岡に存在した。
 その車は,数奇な運命を経ながらも,ハコスカをこよなく愛する管理人の知人の手にたどりついた。
 ここに,約40年間の時間を飛び越えた,国宝に値する奇跡の一台をご紹介する。時代を超えた未再生GT−X


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