My cars historyB


 車も心もぐしゃぐしゃになってしばらく。次のターゲットは,道路沿いのガソリンスタンドの店先に駐めてあった「ホンダZ HTGSS!!」
 レモンイエローにペイントしてあって,車検もついてて13万円。買うしかない!!
 バイトと攻略パチンコ(この台,徐々に店から姿を消し始めていた。ピンチ)でせっせと金貯めて商談に行く。ついに新しいパートナーをゲット。当時から稀少だったGSS。なのに安いのは・・・ 最大の売りである5速ミッションのシンクロが弱く,2速に入るときに,ノンシンクロ車みたいに回転をあわせなきゃ「ギャッギャ」っとギア鳴きを起こすのだった。ときどき,音もなくスムーズにシフトできると一人で喜ぶという楽しみもある車だった。
 この車,セルボの先輩に当たるいわゆるパーソナルクーペのハシリ的存在。
 もちろんコンプレッサーもない車からは冷風は出ないが,エアコンっぽい空気吹き出し口があったり,オーバーヘッドコンソールが付いていたり,サイドガラスはHTらしく全部降りてすっぽんぽんになったり・・・おしゃれな装備が嬉しい一台だった。エンジンパワーも公称36馬力。ツインキャブを装備し,加速はトルクが無く遅いけど,「おいおいどこまで回るんじゃ?」という終わり無き高回転には感動した。
 当時できたばかりの長崎自動車道でやや下りが続くところで,ベタ踏みしてメーター読みで130kmオーバーまで出たときには,さすが世界のホンダだ・・・などと一人で納得してしまった。
 かわいい色でなかなかのものだったのですが,時が経つにつれある思いが沸々とわいてくる。
 それは,決して泣きどころと言われる水中めがねから雨が漏ってくるということだけが理由ではない。『この車ではRSターボはおろか,カローラさえも追えない・・・』

 いつしか,フロントガラスから外を見る目には,セルボにかかったプライスタッグばかり見るようになっていた。しかし,まだ人気のあった当時,20万以下ではほとんど無い状態。まだ,最初のセルボのローンも終わっていないし,ダブルローンを組む気にはなれない・・・ あの丸いテールランプを追った青春の日々はもう戻らないのか・・・

 意外な形で,この悲願はちょっと実現しそうになる。次のページへ進みましょう。

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