S301Aスピードメーター、速度警告灯のからくり
 私がラビットにハマッた理由の一つに、その構造の面白さがある。レストアのために分解していくと随所にそれは見られるのである。いかにも設計者達が知恵を絞って作り上げたと言う痕跡が残っている。それは、当時としては進んだものであったり、シンプルのものであったり、無駄と思えるようなものであったりする。しかし、そのアンバランスな、人間臭さのようなものが、この時代の車の魅力ではないだろうか。

ここに紹介するのは、ラビット301Aのスピ−ドメーター。面白いのは速度警告灯の構造です。あまり見る事のない、メーター内部をお見せします。

301Aのメーター。左にウィンカー・インジケーター、右にチャージ・ランプ中央が速度警告ランプです。 裏を見ると、ソケットが3つ。しかし、真ん中のランプは夜間照明のメーターランプ。如何なるからくりで警告ランプが点灯するのか?

メーターパネルの裏側は、ご覧のようにいたってシンプル。
だが、警告ランプの裏には黒い物が伸びている。加えて、その先にはメーター針と連動する板がついている。

この黒い部分は透明のプラスティック製で、先端とランプの部分を残して、黒く塗られている。するどい皆様はもう御解りだろう。そう、ファイバースコープと同じ原理を使い夜間照明の光源を利用していたのだ。そのオン・オフはメーター針と遮へい板を連動させる事によって行っている。
実際の動きは下の画像にマウスを当ててみてください。

いかがです?40年以上前にファイバースコープの原理を使っていたなんて、それでいてその点滅法はいかにも人間的!おもしろいと思いませんか?
だからやめられないんです古いヤツは・・・

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