死の淵からよみがえったミニフリー

i今から8年前、93’秋の事です。S301のレストアも一段落し、解体屋でスペアパーツ用の車両をさがしていた私は、くず鉄に埋もれた妙な自転車を、見つけました。

朽ち果てたをホイールに、アルミ製のベルトプーリーがついていました。フレームに目をやると、小さなエンジンがついているではないですか!「これって、もしかして・・・・?!」
やる気持ちを抑えなががら、解体屋のオヤジのところへ
「オヤジさん、あそこの自転車欲しいんだけど」>「あんなもん、どうすんの」

「珍しいし、俺、古いバイクが好きで・・」>「うーん、でもうちも商売だから・・・」
(し、しまった!マニアの足元を見られたか?)手持ちの金は、2〜3千円。最悪、動かなくてもエンジンだけかざりにしたってイイヤと思っていたのに・・・。いろんな思いが交錯した、次の瞬間オヤジの口から出た言葉は、「300円!、300円でいいよ」・・・・・・・「えっ・・・」耳を疑った。

慌てて財布を出し、小銭入れの中にあった500円玉を渡し、「おつり、いいです。オヤジさん煙草でも買ってよ」、気を良くしたオヤジさん、わざわざ、軽バンに積み込むのを手伝ってくれました。

帰り道、車がバウンドするたびに、錆の雨がバラバラと・・・でも私の心の中は、晴ればれ!!

MF1レスト前右サイド
MF1レスト前左サイド
意気揚々と、ガレージへ帰り、記念撮影。出てきた妻は、絶句しちゃいました(だいぶ免疫は出来てたはずですが・・・) 現状は説明するまでもありません。
MF1レスト前右サイド拡大
MF1レスト前左サイド拡大
調べてみると、SJKは、スズキ自動車工業の略

1954年の、ミニフリーMF−1と判明。

エンジン左側、クランクケースカバーがありません

それにしてもすごい錆!


MF1レスト後右サイド
MF1レスト後左サイド
死の淵から、よみがえった雄姿。
所々オリジナルとは異なる点がありますが、レストアの醍醐味を充分味合わせてくれた1台です。
MF1レスト後右サイド拡大
MF1レスト後左サイド拡大
ピストンはスズキU50(’68)用の38ミリ径を流用
ピストンピン〜ヘッドの高さが2ミリ高かったのでシリンダー下にアルミ板のスペーサーをしいて解決

フライホイールはC100用、コイルはモンキー用を使いフラマグ+コイル式に変更

欠品だった左クランクケースカバー、ベルトカバーは、自作
クラッチカバー内部
自作した、カバーの内部

ホンダMBX50のクラッチレリーズを流用、スチール製のベース部分とリベットで合体させ、その上にFRP製のカバーを被せ、固めて作りました。

クラッチの切れる高さを出すのに、苦労しました。

左上;シート下のエンブレム『宝山号自転車』の銘

右上;ヘッドパイプエンブレム『HozanCycle』『oshima-cycle-works』

左下;フューエルタンクキャップ、ガソリン15モビール1

右下;サスつきのフロントフォーク

宝山号エンブレムヘッドパイプエンブレム
フューエルキャップフロントサス
後に、嫁さんの実家から出てきた、オートバイ誌1955年1月号の宣伝ページ

『独創的な構成美と驚異的な性能を誇るバイク界の夢を実現』とうたってあります。

で、気になるスペックは
馬力=1.8ps、最高速=45km/hと書いてあります。

ウ〜ン、なるほど驚異的!?


ミニフリー第2次レストア開始しました。