GT−X紙上試乗会
 車を止めて,車外へ降り立つ。三角窓のサッシュ越しに見える青い空がスカイラインによく似合う。
HTならではの,独立した三角窓枠

 西の空には,真っ赤な夕陽が沈みかけている。日中とは違った光を受けて,ハコスカのスタイリングが織りなす光と影の芸術は,異なった表情を見せてくれる。
夕陽を受ける紅の海面を向こうに見て

 自動車である以上,走ってなんぼ。コクピットに座り,走らせることが最大の喜びであることには違いない。しかしながら,外から見るこの車の佇まいは,他車にはなかなか真似できない気品と秘めたる力強さを感じさせる。キャラクターラインとしてC10シリーズ全車に共通なこのサーフィンラインは,セダンとHT,あるいはバン(エステート)さらにはGTRと一貫したラインを持ちながらも,違った味わいがある。テールまで伸びる上を走るラインに一切の妨げのないHTのラインは,もっともその美しさを際だたせている。
 天は二物を与えずといわれるが,こと,この車に関しては設計者は二物も三物も与えたもうたと感じずにいられない。乗って楽しく,眺めて満たされ,オーナーとして人との関わりをもたらしてくれる。このような車は,決して多くはないであろう。好きな者にとっては,まさにかけがえのない唯一無二の存在である。
 今の車に劣る部分は当然ある。しかし,それを補ってなお余りある魅力は,決して消し去ることはできない。
 一人で走りに出るたびに,こんなことを考えてしまう。
 日も暮れてしまう。そろそろ帰るとするか・・



夕日に映えるサーフィンライン
トランクオーナメント

 ハコスカを手に入れたくて仕方がない皆さん。これを読んでさらにヒートアップしたら,その想いを, 掲示板にぶつけましょう。

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