フューエルコック・コルクの作り方

301フロントパネルモール ラビットS301で多いトラブルの一つに、フューエルコック不調があります。症状はガソリン漏れの他、流れ不良によるエンスト等があります。原因はコック内部のコルク部品が経年変化により収縮し痩せてしまったために起こります。
分解してみると、本来コック本体に付いて残っていなければいけないこの部品が、左のようにコックノブに張り付いて出てきます。これでは正常にポートが選択できませんし、ガソリンが漏れるのも当然です。
こうなるともうコルク部品の交換しかありません。復刻部品も流通していますが、ここではラビット生き残りのために、私卯作羽人が、考え出した作り方をお教えします。

用意する物は、

 ●コルク素材(ホームセンター等にあるブロック状の物、ワインのコルク栓などでもOK)
 但し、下右のようなスのあるものは×、コルクチップを圧縮成形した目の細かい物が○

●3〜8mm及び8.8mmのキリ(木工用は細かいサイズがないので、鉄工用で可)、ボール盤もしくはハンドドリル(ドリルスタンドがあれば作業しやすいです)

●9mmのリベットピン(ホームセンターなどで入手可)

●幅3cm、長15cmぐらいの木片3本、木工用ボンド、200〜300番ぐらいのペーパー、カッターナイフ、画鋲等

以上です。


端面仕上げ  まず、張り付いたコルクを取り外し採寸します。結果は下図のようになりました。

コルク素材をカッターナイフで切り出します(カッターの刃は新しいものに)ガイド紙挟み込み  切り出した素材に、14mmの円をけがきます。

ガイド穴あけ けがいた円の中心を狙って3mmか4mmぐらいのキリでガイド穴をあけます。↓ その後、キリを換えながら徐々に穴を広げます。

ガイド穴あけ完了
 

 最終的に、8.8mmのキリを通します。(コックノブを入れて、あまりきつくない程度)

本穴加工 コックノブを差し込み、それを目当てにして片側づつカッターで粗方成形します。(ここで焦ってはダメ。小さくならないように!次の工程で仕上げるので大きめで結構)
リベット頭部加工 次に、外径を仕上げるためのガイドを作ります。長さは15cm程。手前側の段差は4mm、奥側は2mmとしました。両側の段差が均等になるようにボンドで接着します。(←)

出来上がったら、ペーパーの幅を合わせてカットし、押しピンなどで留めます。(→)
320番の耐水ペーパーを使いました。コルクは柔らかいのでこれでも充分削れます。

金型完成 リベットピンの頭を鉄鋸でカットし、コルクを差し込みドリルチャックにセットします。先に作ったペーパーガイドを使って削っていきます。回転するリベットピンにガイドの凸部を当て、段差の少ない方に徐々にスライドさせながら加工していきます
アルミ材セッティング  チャックからピンごと外し外径を現物合せしながら加工していきます。コック本体に1/3ほど入るようになったら、OK。

タッチはちょうどボトルのコルク栓をする感じと言えばわかってもらえるだろうか、チョッときつ目の方が良いです。

リベット頭部叩延
コルクの端部をカッターの刃を当ててカットします。
リベット頭部加工 ポート穴の位置をマーキングし、3mmの穴をあけます。ピンに差したままのほうが作業しやすいですヨ
リベットピンからはずし、残ったバリをもう一度取ります。
型割 完成です。!
完成
コック本体に挿入する時は、ポート位置を確認し、ずれないように、まっすぐ入れます。回転させてはダメだよ〜ン

ノブを外して、コルクが本体に残れば成功!さらにノブの裏側を使って、奥まで押し込みます。ポート穴が合致している事が確認できれば完璧!ノブの動きが固すぎる時は、ペーパーを丸めて入れ、コルクを削り修正してください。


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