パスカルの数三角形といろいろな数

東大津高等学校  森原 則男


【1】パスカルの数三角形
@最上段の升目には1を入れなさい。
A横2個の升目の数の和をすぐ下の段の間の升目に入れなさい。但し、隣の升目がないところは0として計算しなさい。


パスカルの数三角形は  (1) 最短経路の個数  (2) (x+y)nの展開[2項定理]  (3) 組合せの数  などを求めるのに利用される。高校の教育実践でもよく利用されているし、多くの人がよく知っている。ところが、これから述べることはそんなに難しいことでもないし、理由も明らかだし、利用価値もあると思うのに私が出くわした書物の中には全く触れられてはいない。


【2】カタラン数とパスカルの数三角形
下の升目の中にパスカルの数三角形の作り方と同様にして数を入れなさい。

*壁の横の2列に現れる数が「カタラン数」と呼ばれる数です。
*n角形を交わらない対角線で三角形分割する方法の数は何通りあるか。(オイラーの問題)
*演算 a1a2・・・an に括弧を付けて計算に順序を付けたい。何通りの方法があるか。(カタランの問題)
これらの数がカタラン数といわれるものです。


【3】フィボナッチ数列とパスカルの数三角形
下の升目の中にパスカルの数三角形の作り方と同様にして数を入れなさい。

*ここに現れる数が「フィボナッチ数列」です。
*漸化式  a1=1 , a2=1 , an+2= an+1+an で定義される数列を「フィボナッチ数列」と言います。


【4】第2種スターリング数とパスカルの数三角形
下の升目の中にパスカルの数三角形の作り方と同様にして数を入れなさい。
ただし、右上の数は右上上段の×iを施した後に左上の数との和を求めます。

*ここに現れる数を第2種スターリング数kと言います。
*また、各段の数の和をベル数B(n)と言います。



【5】第1種スターリング数とパスカルの数三角形
下の升目の中にパスカルの数三角形の作り方と同様にして数を入れなさい。
ただし、右上の数は右端×nを施した後に左上の数との和を求めます。

*ここに出てくる数は第1種スターリング数と言われる数の絶対値です。
第1種スターリング数の絶対値を C(n,k) とすると次の式が成り立ちます。

例えば、n=3のとき
2(+1)+3(+1)+(+1)=6+11+6


※不思議な三角形:上記と似たような話が「話題源数学」のP1034に「不思議な三角形」として載っています。


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